著書紹介

  • 中村 敦夫: ごみを喰う男

    中村 敦夫: ごみを喰う男
    俳優で政治家経験もある著者が、ゴミ、産廃問題を下敷きに描く社会派推理。現場調査を重ねた意欲作。 ゴミを通して現代が見える。

  • 中村 敦夫: 「さらば、欲望の国」

    中村 敦夫: 「さらば、欲望の国」
    欲望の大国から、環境立国へ! 現在の日本・世界が抱える様々なテーマを入口に、その構造を突き詰める。地球の限界についての認識と、社会やライフ・スタイルの転換を熱く提唱する。

« 10年間の戦場日記 | メイン | シンポジウムに参加 »

2005-02-19

議員連盟はピンキリだ

 通常国会開幕の初日には、永田町に「七五三」現象が起きる。一部の男性議員は紋付き羽織・袴(はかま)姿、女性議員はとっておきの着物姿で本会議場に入ってくる。和服文化を推奨する議員連盟のパフォーマンスである。
 議員連盟は通称「議連」と呼ばれているが、学校で言えばクラブ活動のサークルのようなもの。公的機関ではなく、議員たちが任意で作る団体である。その数およそ600はあると言われているが、正確な数や実態は把握されていない。国会の事務局や政党も、ある程度は知っているはずだが、公表は拒否する。任意団体だからという理由もあるが、むしろ存在を知られたくないものもあるからだ。
 本来は、超党派の議員が、共通の目的やテーマを持続的に論議し、発展させようという趣旨の集団である。
 400人近い加盟者がいる日中友好議連を筆頭に、諸外国との人脈作りを目的とする超党派友好議連は100前後ある。しかし、鈴木宗男氏のように、あまり注目されない旧ソ連諸国や中近東、アフリカなど16カ国との友好議連を作り、自らが会長となり、内部を橋本派で独占したケースもある。
 鈴木氏は、相手国に対し、議連が公的機関であるかのように振る舞い、政府の途上国援助(ODA)利権を開拓したと言われている。このように、派閥単位の議連もあれば、与党内で新勢力結成を目指す秘密グループが、カムフラージュで議連を装うこともある。
 年末年始になると、業界支援型の族議員議連が、活発に動く。工業界とか、農業界といった大ざっぱなものではなく、ハイテク業界なら「ナノテク議連」「コンテンツ議連」などが並び、農業界なら「トマト議連」などと作物ごとの団体がある。これらの議連は、献金と票の稼ぎ場所でもあり、予算獲得に奔走する。
 金と票のためのコネ作りに役立つなら、多くの議連に名を連ねる方が得策だと考え、100以上の議連に入り、巨額の会費を負担する議員もいる。しかし現実にはそんなに活動できるはずはない。実際の話、議連の7、8割はたてまえだけで有名無実だ。
 私は当初、故・小渕恵三氏が会長を務める「映画議連」に入った。映画界が疲弊しているのに、まったく国策がないからだ。ところが、一年たっても会合すら開かれない。その半年後、某ホテルに招集がかかった。行ってみると、総会とは名ばかりのパーティーだった。女優が数人集められ、議員たちは一緒に記念撮影してお開きになった。バカバカしいので、即刻退会届を出した。
 とはいえ、まじめに活動する議連も少数だが存在する。
 例えば、「環境ホルモン・ダイオキシン問題に取り組む議連」は、ダイオキシン緊急措置法を作る主体を担った。
 私が会長を務めた「公共事業チェック議員の会」は、財政赤字と環境破壊の元凶を追及する議連で、与党や官僚の既得利権を脅かす存在だ。公共事業以外さしたる産業がない地方では、有権者の反発をかう危険も背負う。当然選挙は不利になるので、議員には度胸が必要だ。議連も志次第では、政党顔負けの力を持ちうるのである。

(2005年2月19日「朝日新聞」別冊【be】「読み解く」より)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://www.typepad.jp/t/trackback/484/367598

このページへのトラックバック一覧 議員連盟はピンキリだ:

» 場違いな議論 トラックバック やさしいライオン
今回のライブドアの件で政治家が外資のメディア規制をはじめたが 論理のすり替えだと [続きを読む]

» アフリカ大陸旅行・初日目 ……でっかい太陽とわし物語…… トラックバック 及川健二のパリ修行日記
 まもなく着陸し始めるという機内アナウンスがながれたので、丸い窓の外に目をやると、一面、砂の大地が広がっていた。 チュニジア南部の都市・トゥズール。 ... [続きを読む]

» 岡田日本民主党党首が首相の靖国神社参拝に反対 トラックバック うねり

  日本民主党党首冈田表示反对首相参拜靖国神社
 (岡田日本民主党党首が首相の靖国神社参拝に [続きを読む]

» せれぶりてぃ トラックバック せれぶりてぃ
ん? [続きを読む]

» 間口ひろげ過ぎて トラックバック いろは 伊呂波 IROHA
間口ひろげ過ぎて 世のうねり目も見えぬ いはゆる韻を手綱に 八重問ふ繪柄起こせ 割れ初む朝潮 まくちひろけすきてよのうねりめもみえぬいはゆる ゐんをたつなにや... [続きを読む]