初めての午前公演なので、前日に高知・竜馬空港から、関係者の車で室戸市に入る。所要1時間40分。室戸市は明治維新のヒーロー、中岡慎太郎の出身地。
 中村の宗祖・空海が、長期滞在して修行した場所としても有名。室戸岬の洞窟で坐禅を組んでいると、太陽が火の玉となって口の中へ飛び込んできたという伝説がある。その洞窟を訪ね、しばし感慨にひたる。
 室戸市は、昔から遠洋まぐろの漁の拠点でもあり、漁師の多い町だったが、1946年から始まったマーシャル群島海域での米国による水爆実験で、ここから出港していた漁師たちから、多くの犠牲者を出した。朗読劇でも短い言及があるが、ドキュメンタリー映画「放射線を浴びたX年後」及びその続編で詳細が描かれている。
 今回の朗読劇でも、これらの映画を監督した伊東英明氏や、被爆で亡くなった漁師の娘である川口美紗さんがスタッフとして協力して下さった。