南会津町は山岳に囲まれた盆地だが、隣接する只見や檜枝岐を含めた大ブナ林地帯でもある。古くから林業が盛んだったが、戦後の材木バブルで、億万長者の一群が生れ、花街も大いに賑ったという。
 一時は、日本中の大きな和太鼓の木枠も、ここのけやきで作られていた。現在の林業は見る影もない。中村の参院議員時代、20000本のブナ林を斬り倒して、林野庁系の独立法人の収入にくり入れようという工作があった。
 中村は自然林保護を主張し、この計画を白紙に戻した。その時の自然林保護活動家が、今回の公演のスタッフの一人だった。
 公演が行われたのは、「御蔵入(おくらいり)交流館」。「御蔵入」とは、幕府の天領という意味であり、この地が歴史的な意味合いを持っている証である。現地スタッフは、200名動員を祈っていたが、当日売りも増え、近い将来の上演参考にと、仙台、郡山、三春などからのプロデューサー達も加わり、結果230名の超入りとなった。スタッフは、「事件だ!事件だ!」と大喜びだった。