生年月日: 1940(昭和15)年2月18日
職業・肩書き:俳優、作家、日本ペンクラブ理事・環境委員、元参議院議員
1940年、新聞記者の長男として東京で生まれました。幼年期に東京空襲があり、父の出身地である福島県に疎開。そこで小中学校を過ごし、高校は東京に戻り、都立新宿高校を卒業、東京外国語大学に入学しました。在学中、演劇に興味を持ち、大学を中退、劇団俳優座に入りました。
1965年には、EWC奨学生演劇部門試験に合格、ハワイ大学に留学し、アメリカ社会の研究をする機会を得ました。帰国後、新劇改革の若手リーダーとして幹部と衝突、劇団を退団してTV界へ進出しました。
1972年放映の「木枯し紋次郎」が空前のブームになり、その後数多くのドラマで主演をつとめました。俳優業だけでは満足できず、脚本や演出でも活動しましたが、海外取材を基に書いた小説「チェンマイの首」がベストセラーとなり、その後の二作を含め東南アジア三部作は、国際小説ブームの火付け役を果たしました。この成果が注目を浴び、1984年には、日本最初の本格的なTV情報番組「地球発22時」のキャスターに起用され、TV界の流れに大きな変化をもたらしました。数十ヶ国の海外取材での経験から、国際的視点からの政治的発言が多くなり、政界入りの要請が強くなりました。
1998年、参議院東京選挙区から立候補して当選。
2000年、「さきがけ」代表に就任。
2002年には党名を「みどりの会議」に変え、日本最初の環境政党を作ろうと全国の組織化に奔走しました。国会では、90名の国会議員が参加する議員連盟「公共事業チェック・議員の会」の会長として、また環境委員、農水委員として、不正腐敗の追及や環境問題、農林水産業の復権などに取り組みました。
2004年、環境政党を拡大するため、「みどりのマニフェスト」を掲げ、10人の候補者を擁立して参議院比例代表で闘いましたが敗退。一期一会と覚悟を決めた闘いでしたので、政界引退を表明しました。尚、中村敦夫の世界観や政治、経済についての思想は、2011年4月発売の著書「簡素なる国」(講談社)で展開されています。
2007年から3年間、同志社大学院・総合政策科学研究科で講師を勤め、環境社会学を講義。現在は日本ペンクラブ理事、環境委員を務めています。
フィクションとしては、環境ミステリー小説「ごみを喰う男」(2007年 徳間書店)「暴風地帯」(2010年 角川書店)があります。
俳優として、ドラマ「CHANGE」(2008年)、「不毛地帯」、「仁」(2009年)、「鉄と骨」(2010年)、「まれ」(2015年)など注目作品に出演。
2011年からは、自作自演の朗読劇「山頭火物語」で全国公演。
2012年には日本ペンクラブのチェルノブイリ視察団に参加。
2017年 朗読劇「線量計が鳴る」を完成。自演で全国公演開始。
2017年暮れから始まった自作自演の朗読劇「線量計が鳴る」は大きな反響を呼び、全国ツアーに発展しました。
2020年に入り、コロナ禍によって公演は95回を眼前に、ストップせざるを得ませんでした。作品を将来に残すために、朗読を撮影し、DVDを制作しました。
2022年には、安倍元首相銃撃事件が起き、30年前に出たカルト宗教小説「狙われた羊」が講談社文庫で再刊されました。
2023年、朗読劇「線量計が鳴る」英語版が発売されます。
経歴
1940 |
新聞記者の長男として、東京都豊島区に生まれる。 |
1945 |
東京空襲で、福島県郡山市へ疎開。 |
1946 |
いわき市(旧平市)へ転居。小中学校時代を過ごす。 |
1955 |
福島県立磐城高校入学、半年後に都立新宿高校へ転校。 |
1958 |
東京外国語大学入学、後中退。 |
1960 |
俳優座養成所入所。 |
1963 |
俳優座入団。 |
1965 |
EWC奨学生としてハワイ大学留学。 |
1969 |
カリフォルニア州バークレイ滞在。 |
1971 |
俳優座退団。 |
1972 |
<木枯し紋次郎>ブーム。 |
1976 |
(株)中村企画設立。 |
1983 |
小説「チェンマイの首」文筆活動開始。 |
1984 |
情報番組「地球発22時」のキャスターとして登場。 |
1995 |
月刊・中村敦夫新聞発刊 第17回参議院議員東京選挙区に立候補・次点。 |
1998 |
第18回参議院議員東京選挙区で初当選・法務委員会所属。10月に民権政党「国民会議」設立。 |
2000 |
7月「さきがけ」代表就任。8月議員連盟「公共事業チェック議員の会」会長就任。 |
2001 |
1月環境委員会所属 7月農水委員会所属 |
2002 |
1月さきがけと国民会議が合流、さきがけを「みどりの会議」と党名変更。 |
2004 |
7月第19回参議院選挙比例代表で敗退。政界引退を表明。11月「みどりの会議」解散 |
2007 |
環境小説「ごみを喰う男」を発表。同志社大学大学院総合政策科学研究科で講師(2009年まで3年間)。 |
2008 |
日本ペンクラブ理事(環境委員会委員長は2015春まで) |
2011 |
自作自演の朗読劇「山頭火物語」初演。 |
2011 |
評論「簡素なる国」で自己哲学を展開。 |
2014 |
(株)中村企画解散。マネジメント業務を(株)クロスポイントへ委託。 |
2017 |
自作自演の反原発朗読劇「線量計が鳴る」の全国ツアー開始。 |
2022 |
同・朗読劇DVD化、発売。 |
2022 |
小説「狙われた羊」講談社文庫が再刊。 |
主な出演作品
TV |
|
|
1972 |
木枯し紋次郎 |
CX |
1973 |
水滸伝 |
NTV |
1974 |
おしどり右京補物車 |
ABC |
1975 |
剣と風と子守唄 |
NTV |
1976 |
青春の門 |
MBS |
1976 |
必殺仕業人 |
ABC |
1976 |
江戸特捜指令 |
MBS |
1977 |
海峡物語 |
ANB |
1977 |
新・木枯し紋次郎 |
12ch |
1978 |
翔べ! 必殺うらごろし |
ABC |
1978 |
東京メグレ警視 |
ABC |
1978 |
重役秘書 |
MBS |
1979 |
不毛地帯 |
MBS |
1980 |
雪姫隠密道中記 |
MBS |
1980 |
なぜか初恋南風 |
TBS |
1981 |
結婚したい女 |
MBS |
1981 |
日本悪妻に乾杯 |
MBS |
1982 |
男と女の間には |
MBS |
1994 |
銀行 |
NHK |
1995 |
官僚たちの夏 |
NHK |
2007 |
新・京都迷宮案内4 |
ANB |
2008 |
幻十郎必殺剣 |
TX |
2008 |
誤算 |
TX |
2008 |
CHANGE |
CX |
2009 |
黒部の太陽 |
CX |
2009 |
不毛地帯 |
フジテレビ |
2009 |
仁 |
TBS |
2010 |
鉄の骨 |
NHK |
2011 |
人間昆虫記 |
WOWOW |
2012 |
平清盛 |
NHK |
2012 |
リーガルハイ |
CX |
2012 |
負けて勝つ |
NHK |
2013 |
新春大型時代劇鬼平犯科帳スペシャル |
CX |
2014 |
パンドラ〜永遠の命〜 |
WOWOW |
2015 |
まれ |
NHK |
2015 |
誤断 |
WOWOW |
2016 |
三屋清左衛門残日録 |
BSフジ |
映画 |
|
|
1964 |
怪談 耳無芳一の話 |
東宝 |
1970 |
儀式 |
創造社 |
1973 |
夕映えに明日は消えた |
東宝 |
1974 |
襤褸の旗 |
独立プロ |
1977 |
姿三四郎 |
東宝 |
1977 |
仁義と抗争 |
東映 |
1981 |
ザ・チャレンジ |
米映画 |
1982 |
南十字星 |
日豪合作 |
1992 |
帰ってきた木枯し紋次郎 |
CX |
1994 |
集団左遷 |
東映 |
1995 |
大夜逃 夜逃げ屋本舗3 |
東宝 |
1997 |
破線のマリス |
製作委員会 |
1999 |
梟の城 |
東宝 |
2006 |
犬神家の一族 |
東宝 |
2009 |
BALLAD 名もなき恋のうた |
東宝 |
2015 |
チョコリエッタ |
独立プロ |
2020 |
帰郷 |
時代劇専門チャンネル |
情報番組キャスター
1984 |
中村敦夫の地球発22時(3年半) |
MBS |
1985 |
ルーブル美術館 |
NHK |
1989 |
遙かなる草原の彼方に<シルクロード> |
ANB |
1989 |
中村敦夫のザ・サンデー(3年) |
NTV |
2019 |
こころの時代 反骨ー中村敦夫の福島 |
NHK |
小説・エッセイ
1972 |
エッセイ |
渡世人気質(ブロンズ社) |
1983 |
国際小説 |
チェンマイの首 (講談社) |
1985 |
国際小説 |
ジャカルタの目 (講談社) |
1989 |
国際小説 |
マニラの鼻(講談社) |
〃 |
エッセイ |
コーカサスの風(テレビ朝日出版) |
1993 |
社会小説 |
結婚しましょ!(講談社) |
1994 |
宗教小説 |
狙われた羊 (文藝春秋・刊) |
1996 |
評 論 |
時よ怒れ! (近代文藝社) |
1997 |
評 論 |
ドブねずみを撃て! (近代文藝社) |
1998 |
評 論 |
政治家になろう (ラジオたんぱ) |
1999 |
評 論 |
この国の八百長を見つけたり (小学館) |
1999 |
エッセイ |
国会物語 (晩聲社) |
2000 |
自 伝 |
俳優人生/振り返る日々 (朝日新聞社) |
2004 |
評 論 |
さらば、欲望の国 (近代文藝社) |
2007 |
環境小説 |
ごみを喰う男 (徳間書店) |
2010 |
環境小説 |
暴風地帯 (角川書店) |
2011 |
評 論 |
簡素なる国(講談社) |
2018 |
戯 曲 |
線量計が鳴る -元原発技師のモノローグ-(而立書房) |
2018 |
アンソロジー |
憲法についていま私が考えること/戯曲「流行性官房長官」(角川書店) |
2020 |
朗 読 劇 |
線量計が鳴る(而立書房) |
主な監督作品
1972 |
木枯し紋次郎 |
CX |
1977 |
新・木枯し紋次郎 |
テレビ東京 |
1984 |
リオのカーニバル(ドキュメンタリー) |
NTV |
1991 |
TVレポーター殺人事件(サントリーミステリー大賞) |
ABC |
1992 |
徳川家康の秘宝(時代劇小説大賞) |
ABC |
1996 |
ラッツ -霞ヶ関のドブねずみ- |
劇団東京クラブ |
1997 |
ドクターグリーン |
劇団STAR |
主な脚本作品
1988 |
土壇場でハリーライム(サントリーミステリー大賞) |
ABC |
1991 |
TVレポーター殺人事件(サントリーミステリー大賞) |
ABC |
1992 |
徳川家康の秘宝(時代劇小説大賞) |
ABC |
1993 |
オレのベイビー! |
YTV |
1996 |
ラッツ -霞ヶ関のドブねずみ- |
劇団東京クラブ |
1997 |
蘭と狗(時代劇小説大賞) |
ABC |
1997 |
左手に告げるなかれ(江戸川乱歩賞受賞作) |
CX |
1998 |
環境啓蒙演劇「ドクターグリーン」 |
劇団STAR |
2011 |
朗読劇「山頭火物語」 |
全国展開 |
2018 |
朗読劇「線量計が鳴る」。 |
而立書房 |
賞罰
1973 |
京都市民映画祭TV部門主演男優賞 |
〃 |
第10回ゴールデン・アロー賞 |
1987 |
ATP賞 |
1993 |
エランドール・特別賞 |
1995 |
毎日映画コンクール・助演男優賞 |
1996 |
ブルー・リボン助演男優賞 |
2010 |
旭日中綬章 |
朗読及び少人数劇のレパートリー(公演実績)
中村敦夫 |
著 |
山頭火物語 |
〃 |
〃 |
跳べ久女よ、天高く |
〃 |
〃 |
線量計が鳴る |
〃 |
〃 |
老人と蛙 |
〃 |
〃 |
流行性官房長官 |
菊池 寛 |
〃 |
閻魔堂 |
菊池 寛 |
〃 |
入れ札 |
藤沢周平 |
〃 |
暗黒剣千鳥 |
井上 靖 |
〃 |
補陀落 渡海記 |
那須正幹 |
〃 |
ねんどの神さま |
開高 健 |
〃 |
掌の中の海 |
島崎藤村 |
〃 |
千曲川スケッチ |
2024年1月現在