岩手県と言えば、花巻を舞台にした連続テレビドラマのロケで、一ヶ月ほど現地の旅館に滞在したことがある。樹木希林さんと夫婦役で、中村が時々帰宅する外国航路の船員、希林さんが地元の小学校のハリキリ校長を演じた。今となっては、遠い昔話になってしまった。
 盛岡や雫石、水沢などへも、講演や選挙運動などで何度か足を運んだことがある。
 今回の公演は、盛岡の食品業界で活躍する実業家の音頭で実現した。ほとんどの公演は、上演委員会スタイルで、反原発運動にかかわる地元の活動家などが中心で展開してきた。とは言え、環境問題に力を入れている個人の努力で実現するケースも何度かある。今回がその好例である。それにしても、300名以上の集客を目指すというのは大がかりだ。結果、360名以上が入ったのだからびっくりする。
 ほとんどの客が、普段は社会運動の周辺にはいない層で、若い世代もちらほら見受けられた。劇に対する反応は、これまでの公演と同質のもので、もっと情報が欲しいという観客の気迫がみなぎっていた。